「禁じられた遊び」

反戦映画だそうですが、尋常ではない。のっけから、主人公の女の子は両親を目の前でなくします。
Un chien est mort.
(犬はもう)死んだよ
両親だけではなく、犬も死んでいくあてのない女の子。
彷徨ったあげくにドレ家に居候することになります。そこでミシェルと出会います。小さな愛の物語。
無垢な女の子にとって、Oui(Yes)の一言がどれだけ重いか。
あざといと言われればそれまでですが、主題の強さの表れともいえます。
Regardez la!
あれを見て!
協会の十字架に心奪われる女の子。何故に十字架という気はしますが、十字架を盗んで弔いをということでしょうか。
理性でも勝てないものがあるのです。天に祈るミシェルですら、愛>神という図式には逆らえない。禁忌を犯す、それは大罪。
陰欝な空気のなか、艶やかで妖しい音楽がムードを高める。この映画では高揚と悲愴が紙一重なのだ。
女の子が赤十字に引き取られて。ラストは涙が出そうになりました。
二年前に観た映画「オリバー・ツフィスト」を思い出した。時間があれば、今度オリバーの原作読みたいです。感涙するんだろうな。

禁じられた遊び [DVD] FRT-098

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