2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

木下半太『悪夢の観覧車』

ゴールデンウィークの行楽地で、手品が趣味のチンピラ・大二郎が、大観覧車をジャックした。スイッチひとつで、観覧車を爆破するという。目的は、ワケありの美人医師・ニーナの身代金6億円。警察に声明文まで発表した、白昼堂々の公開誘拐だ。死角ゼロの観覧…

山川健一『「書ける」人になるブログ文章教室』

欧米のブログがジャーナリズムを変えつつある一方、日本のブログはタダの日記にすぎないと言う人がいる。しかし、じつは日記こそ自己表現の原点であり、豊穣なる日本文学の母胎と言えるのではないか。ブログに何をどう書き、いかに「作品」を生み出すか。小…

森博嗣『探偵伯爵と僕』

もう少しで夏休み。新太は公園で、真っ黒な服を着た不思議なおじさんと話をする。それが、ちょっと変わった探偵伯爵との出逢いだった。夏祭りの日、親友のハリィが行方不明になり、その数日後、また友達がさらわれた。新太にも忍び寄る犯人。残されたトラン…

エマニュエル・ボーヴ『きみのいもうと』

どん底の貧乏生活を送っていた「ぼく」も、今では悠々自適な未亡人のツバメ。しかし、惨めな旧友とその妹に出会い同情と優越感を覚えた瞬間、彼の心の平安は音を立てて崩れ始める…。なぜ、ぼくは彼女を誘惑してしまったのか?素寒貧で、せつなくて、ちょっと…

角田光代『予定日はジミー・ペイジ』

出産にはいくつものストーリーがあり、悩みと笑い、迷いと決定が詰まっているのだろう。だめ妊婦、ばんざい! 天才ロックギタリストの誕生日に母親になる予定の「私」をめぐる、切ないマタニティ日記。 前に本屋で見たときは、エッセイかと思い違いをしていた…