森博嗣『探偵伯爵と僕』

もう少しで夏休み。新太は公園で、真っ黒な服を着た不思議なおじさんと話をする。それが、ちょっと変わった探偵伯爵との出逢いだった。夏祭りの日、親友のハリィが行方不明になり、その数日後、また友達がさらわれた。新太にも忍び寄る犯人。残されたトランプの意味は?探偵伯爵と新太の追跡が始まる。

探偵伯爵はまだしも、主人公も小学生にして理系チックな思考ね、なんて思いながら読んでいました。
現実と離れていながら、現実から目を背けない探偵伯爵。大人とはかくあるべし、というか、子供みたいな好奇心も必要だよねって再認識させてくれる素敵な人物でした。
この小説、子供が読んだらどう思うのだろう。私は子供ではないので分からない。主人公の新太は、無邪気さと、どこか冷めた視点を併せ持つ人物で、この本自体が新太が書いた小説みたいな体裁をとっています。親愛なる伊藤薫君へ、という最後のあとがき的なところを読むと知能指数が限りなく零に近い私なんか訳がわからなくなりました。
子供の感覚って、好きです。唐突でごめんなさい。子供だからでてくる疑問とか社会は大切にするべきだと思う。大人と眺める角度が全然違うから。子供はよく歌を即興でつくって歌ってたりするけど、すべて超弩級の素晴らしさですよ。これを至宝にしなくてどーするよ。あ、私いま暴走しました。
疑問点もありました。
森では携帯はつながらないんじゃないの? なんで電話できる? 森さんの世界だから、OKなのかしら? 別に洒落てはいません。
後半はぐいぐいと、謎以上に物語に引き込まれましたので、私的には上記部分とかがあっても無視できました。
楽しめますね。森さんの他の作品も読んでみようかな。

探偵伯爵と僕 His name is Earl (講談社文庫)

探偵伯爵と僕 His name is Earl (講談社文庫)