2009-12-01から1ヶ月間の記事一覧

津原泰水『ブラバン』

一九八〇年、吹奏楽部に入った僕は、管楽器の群れの中でコントラバスを弾きはじめた。ともに曲をつくり上げる喜びを味わった。忘れられない男女がそこにいた。高校を卒業し、それぞれの道を歩んでゆくうち、いつしか四半世紀が経過していた―。ある日、再結成…

2009年度文芸書以外ベスト5

こんにちは。先日に引き続き、文芸書以外で五冊あげます。 【文芸書以外】第五位難波江和英、内田樹『現代思想のパフォーマンス』(光文社新書)現代思想を代表する6人(ソシュール、バルト、フーコー、レヴィ=ストロース、ラカン、サイード)が取り上げられて…

2009年度文芸書ベスト5

今年読んだ本のなかから印象に残った本を文芸書と文芸書以外(エッセイ含む)で挙げてみたいと思います。【文芸書】第五位三島由紀夫『仮面の告白』(新潮文庫)これがデビュー作だなんて信じられないくらいレベル高い。小説でありながら自伝っぽくもあるのだけ…

内田樹『街場の現代思想』

「バカ組・利口組」に二極化した新しいタイプの階層社会が出現しつつある。そんな格差社会において真に必要な文化資本戦略とは何か?日本の危機を救う「負け犬」論から社内改革の要諦まで、目からウロコの知見を伝授。結婚・離婚・お金・転職の悩み…著者初の…

トーマス・マン『ヴェネツィアに死す』

高名な老作家グスタフ・アッシェンバッハは、ミュンヘンからヴェネツィアへと旅立つ。美しくも豪壮なリド島のホテルに滞在するうち、ポーランド人の家族に出会ったアッシェンバッハは、一家の美しい少年タッジオにつよく惹かれていく。おりしも当地にはコレ…