2009年度文芸書以外ベスト5

こんにちは。先日に引き続き、文芸書以外で五冊あげます。
【文芸書以外】
第五位
難波江和英、内田樹現代思想のパフォーマンス』(光文社新書)
現代思想を代表する6人(ソシュール、バルト、フーコーレヴィ=ストロース、ラカン、サイード)が取り上げられている。
本書の特徴は思想をツールとして使っているところにある。目から鱗が落ちる。

現代思想のパフォーマンス (光文社新書)

現代思想のパフォーマンス (光文社新書)

第四位
ブルボン小林『ジュ・ゲーム・モア・ノン・プリュ』(ちくま文庫)
結構レトロなゲームに焦点があてられているエッセイ。
厳しい意見もあるけど、ゲームに対する愛情がびっしり詰まった本でした。独特な味がある。

ジュ・ゲーム・モア・ノン・プリュ (ちくま文庫)

ジュ・ゲーム・モア・ノン・プリュ (ちくま文庫)

第三位
三島由紀夫『不道徳教育講座』(角川文庫)
三島由紀夫が社会へ向けて書いた軽妙洒脱なエッセイ。
半分、屁理屈かもしれないけどついうなずいてしまいそうになる。良い子はイケナイね。

不道徳教育講座 (角川文庫)

不道徳教育講座 (角川文庫)

第二位
斎藤美奈子文章読本さん江』(ちくま文庫)
これまで出版されてきた幾多の文章読本を検証する、文書読本の本である。
密度は濃いのにツッコミは鋭く的を得ている。

文章読本さん江 (ちくま文庫)

文章読本さん江 (ちくま文庫)

第一位
米原万里嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(角川文庫)
米原さんが幼少時代に過ごしたプラハでの親友とと三十年ぶりに再会する。
ノンフィクションだけどミステリー風味。リアリティの重さがひしひしと伝わる。

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)

去年と比べると海外の作品をほとんど読んでないというか敬遠気味だなぁと思いました。
次点を挙げるとすると、遠藤周作『私のイエス』(祥伝社黄金文庫)です。キリスト教とのむきあいかたを綴った自伝風の読み物なんですが、しみじみときました。国際化が進むなかで現代はどんな宗教であれ対立するのではなくお互いを尊重するのが摂理だみたいな記述があって感心致しました。