東野圭吾『容疑者Xの献身』

昨日は、明け方の四時頃まで、時間を忘れてを読んでいた。
そして、「石神さんはネ申だ」という結論に至った。。
この作品は、天才物理学者・湯川学こと「ガリレオ先生」の活躍を描いたシリーズものの一作です。
いきなりこの作品から読んでも違和感なく世界に溶けこめますよ。

天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、二人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。

つまり、読者は犯人が最初からわかっているという、倒叙ミステリの結構をとってます。だからといって、アリバイ崩しに夢中になると、本書の刑事さんみたいに煙に巻かれて真相からは程遠くなるのでご注意を。
トリックはまあ、よくあるものですが、構築過程はさすがに貫禄を感じました。しかし、それ以上に本書の読みどころはタイトルにあるように「容疑者X(石神)の献身」にあるので、愛想がないように見える石神先生の一世一代の恋心と、衝撃の決断及び明かされる真実に胸を重くしましょう。私はまたもや涙腺が潤んじゃいました。
草薙刑事がいい味だしてます。

容疑者Xの献身 (文春文庫)

容疑者Xの献身 (文春文庫)