鹿島田真希『一人の哀しみは世界の終わりに匹敵する』

奇蹟をめぐる5つの“聖なる愚者の物語”。“楽園”を追われた子どもたちの魂の放浪…。連載時より各紙誌で絶賛された、文芸賞作家による話題の連作小説。

夜中に実家へと帰るための準備をしていて、それと同時平行で本書を読んでました。
前日(当日?)にならないと荷物を詰めるのも部屋を片付けるのもうっとうしくて。
そんなことはどうでもいいか。どう説明していいかわからないけど、傑作でした。
帯には〈奇跡をめぐる5つの“聖なる愚者の物語”〉とあるのだけど、まさしくそのとおりで。鹿島田さんの作品では、物語の内容を単にコピー&ペーストしても意味はなく、実際に読んでいただかないとわからないものがあると思います。
聖書がモチーフになることが多いのですが、本書も然り。最初の短篇「天・地・チョコレート」では、半ズボンがどうたらチョコレートがどうたらいってますがそういうのがいい。あと、全編、文章と会話の妙でできている。
すいません。自分でもなに言ってるかわからなくなってきました。私自身、鹿島田さんの意図がちゃんとわかっていない読者の一人だし。最初は鼻白むかもしれないけど、猛烈にお薦めします。
紹介にすらなってなくてごめんなさい。どうせ私は愚者ですから。

一人の哀しみは世界の終わりに匹敵する

一人の哀しみは世界の終わりに匹敵する