あさのあつこ『The MANZAI(4)』

うちな、ちょっと瀬田くんに相談したいことあって。あのな、恋についてなんやけど…。憧れの美少女・メグに言われた歩は、「現実はそんなに甘くない」と思いながらも、内心ドキドキ。ついに、歩の“恋路”に進展があるのか!?ボケの貴史とツッコミの歩―我らが「ロミジュリ」を中心に繰り広げられる、ちょっと切なくてかなり笑える青春ストーリー、待望の最新刊。

バイトの行き帰りで読みました。「バッテリー」と並ぶあさのあつこの人気シリーズ第四弾。

主人公・歩と貴史が漫才コンビを組んでいます。貴史は歩が好きで(!)、歩はメグが好きで、メグは貴史を好きで。すっぽり納まる三角関係が清々しい青春ど真ん中の小説。大人や社会に対して敏感な中学生の視点から描かれているせいか児童文学ぽいところもあるのですが、かなりライトです。
三作目以降、大きな物語がないせいなのか、歩くんの独白が増していき、その分息苦しくなったという印象は拭えないのが少し残念。普通の会話はおもしろいのに、漫才となるとあまりおもしろくないような(気も個人的にはするし……)。

でも、歩くん、人に好かれるようないいこと沢山言ってますし誰にも媚びてないので、純情な中学時代に戻りたいかたは一読されてみてはいかがでしょうか。色々と考えさせられますよ。作者の努力かと思われますが、使われる言葉もいまふうな感じになってます。

The MANZAI〈4〉 (ピュアフル文庫)

The MANZAI〈4〉 (ピュアフル文庫)