いとうせいこう『ノーライフキング』

小学生の間で空前のブームとなっているゲームソフト「ライフキング」。ある日、そのソフトを巡る不思議な噂が子供たちの情報網を流れ始めた。呪われた世界を救うため、学校で、塾で、子供たちの戦いが始まる。そして最後に彼らが見た「キング」の正体とは?発表当時よりセンセーショナルな話題を呼んだ、著者圧倒的代表作。

前から読みたかった小説です。やっと再文庫化(新潮文庫版は絶版)になりました。二十年前の本やのに、リアルでゲーム世代の私には他人事とは思えない内容でした。
「ライフキング」というゲームソフトが小学生の間でブームとなり、そのソフトを巡る不思議な噂が子供たちの情報網に流れる。
嘘(デマ)が物語を産むという当たり前だけど、強く実感というか再認識させられました。子供にとっては仮想世界がすごくリアルに見えるという想像力の豊かさは素直に素晴らしいと思う。ゲームは想像力を奪うのでしょうか。当人(子供たち)にとってはものすごく真剣なことですよね。色々考えさせてくれるし、スリリングな小説でした。

ノーライフキング (河出文庫)

ノーライフキング (河出文庫)