2008年度文芸書ベスト5

文芸書(小説、戯曲)とそれ以外(エッセイ含む)から五冊ずつ。まずは文芸書から。
【文芸書】
第五位
モリエール『ドン・ジュアン』(岩波文庫)
今年は戯曲に目覚めた一年でした。
古典なのにもう面白くて手がとまらなくなる。鈴木力衛さんの妙訳を楽しみながら笑いましょう。

ドン・ジュアン (岩波文庫)

ドン・ジュアン (岩波文庫)

第四位
エマニュエル・ボーヴ『きみのいもうと』(白水社)
描写の鬼! と叫びたくなるように延々と続く描写とそれによって明らかになっていく主人公の情けなさに私は心を打たれた。

きみのいもうと

きみのいもうと

第三位
スタンダール『赤と黒(上)(下)』(新潮文庫)
あの長大さだけでお腹一杯なのにジュリアンくんが美青年ときた日には。クライマックスにかけては圧巻。

赤と黒 (上) (新潮文庫)

赤と黒 (上) (新潮文庫)


赤と黒 (下巻) (新潮文庫)

赤と黒 (下巻) (新潮文庫)

第二位
鹿島田真希『ナンバーワン・コンストラクション』(新潮社)
この本を読んだおかげで鹿島田病にかかりました。一時期、建築が頭から離れなくなり、非現実的な会話が愛しく胸のなかを駆け巡った。

ナンバーワン・コンストラクション

ナンバーワン・コンストラクション

第一位
デイヴィッド・アーモンド『クレイ』(河出書房新社)
リアリティに満ちており、我々を震撼させる児童文学であった。金原瑞人さんの精緻な訳でゆったりと物語の世界に浸ることができる。

クレイ

クレイ