近田春夫「考えるベスト」

ハルヲフォンからRICEまで、近田春夫のこれまでのキャリアを総括するようなベスト・アルバム。全体を通して聴いてみることで彼にとってのロックンロールが“自然に聴こえる人工的な音”から“人工的に聴こえる自然な音”に移行していくのがわかるはず。

近田春夫のアーティストとしての活動を総括するというか、要するに昔の曲から現在の曲まで集めてみましたという感じのアルバム。企画としてはベストって感じなのかもしれませんが、なんか中途半端な印象を受けました。
まあ中途半端なのは組み合わせというか売り方なんであって、曲自体はセンスの塊。後年(というか現在)ヒップホップやラップをされていて、私自身苦手なジャンルなのだが、難なく聞けるというかリズムが気持ちよく耳に残る。ちょっと猥雑な曲もあるYO!
私は初期のハルヲフォンが好き。郷ひろみ「恋の弱味」のカヴァーが収録されていますが、かっこいい。原曲と比べてみるのも面白いかもしれません。そういう意味ではカヴァーアルバム『電撃的東京』をプッシュします。いま聞いても色褪せていないというか古臭さがまったく感じられない音楽です。編曲が神。
ビブラトーンズも電子ティックなサウンズで熱いです。アルバムを聞いていくなかで、サウンド志向からリズム志向への変化みたいなものも感じることができますね。初期は特に歌謡曲の良さがロックに昇華されてます。おすすめです。

考えるベスト

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