内田裕也『俺はロッキンローラー』

永遠のロッキンローラー内田裕也の幻の名著が遂に文庫化!少年時代のとんでもない話、’76年当時のRock’n Rollな現場、魂ゆさぶる金言集など、裕也スピリット満載の1冊。文庫化ではデザインも忠実に再現。

タイトルにもあるとおり、人生をロックンロールしている内田裕也氏の全盛期だったり生きざまが垣間見れました。内田氏が生まれてから、本書の元となる単行本が発売される1976年までの記録が詰まってます。
ほとんどがインタビュー形式の語りおろしで、裕也節が炸裂していて一途な性格というかロックへの絶え間ない情熱をひしひしと感じました。同年代の音楽や海外音楽事情であったり時代の空気も伝わってくるので70年代風俗史としても読むことができるかも。ロック史の便利な年表が裕也の活動履歴とともに記されています。
読んで感じたのは、行動力が並ではないということです。バンドボーイからボーカルに、そして自身のバンドを持ちプロデュースを手掛けるまでの道筋は本書のひとつの読みどころです。国内にとどまらずザッパ、ジョン、ベンチャーズとの交流を深めることで日本と海外におけるロックの懸け橋を作ったのは、ほんまに凄いです! 日本だって負けてないで〜。
Vアイム・ソー・タイアード「ロックンローラーのための座右銘/内田裕也の金言名句集」はファンにはたまらないです。
〈夢はLSD〉(夢)
〈ロックは、ハングリー・ミュージックだ〉(ロック)
ほか、たくさんの金言に妙に納得させられます。真っすぐで正直で隠したところがまったくないのです。
内田氏の知人友人へのコメントや彼へのメッセージも収められておりますよ。誤植が多いのだけがちと気になりました。あとはサイコーやったロックな気分になりたい人は必読です。

俺はロッキンローラー (廣済堂文庫)

俺はロッキンローラー (廣済堂文庫)