「蒲田行進曲」

つかこうへいの原作をつか自身が脚色して映画化した作品。監督は深作欣二氏。小説版とは大筋は同じですが、細かいところはけっこう違いました。映画のほうがわかりやすくなってるかな。
小説のが想像力で補うぶん幾分か怖いのですが、映画版でもカタストロフは健在。
銀次郎以上にヤスが怖かった。迫真の演技といっていいほど。ヤスは銀次郎の手下で銀次郎のことものすごく慕っているので性格が銀次郎に似てくるのですがなにせ感情がコロコロ変わりますからね。怒ったかと思えば泣きだしたりでさあ大変。そのへんは小説のほうが詳しく描けてます。
補完する意味でも小説版もしくは戯曲を読むと頭のなかがすっきりするよ。
俺の屁はくせえのか?
というヤスの台詞は小説版にはないもので重たい空気が漂うのにもかかわらず笑ってしまった。
映画版の美点を挙げるとすると終わり方が良いです。
泣かせるのにすかっと爽快感が得られる終わり方。素晴らしい。

蒲田行進曲 [DVD]

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