永井豪『デビルマン』

全五巻で、一巻から三巻まで読み終えましたが、ストーリーが荒唐無稽すぎるのはマンガの性だし、「こんなのありえなーい」なんてコメントするのはナンセンスだと思うので、取り敢えず「すごい!」と記しておきます。

特に三巻は白眉。いきなり過去の様々な時代にタイムスリップし、歴史を改変しようとする悪魔と戦うデビルマン一行という内容で、一話ごとになんの脈略もなしにフランス革命期にとんだり、南北戦争期にとんだり。

矛盾を指摘するのは簡単だけど、そうすると物語の持つ破天荒な力が失われるので。って、同じこと何度も言う必要ないですね。

私には到底理解不能の戦闘シーンも圧巻でした。三巻三十八ページの、〈この物語をよんでいるあなた…… ……あなたはそう思いませんか〉という問い掛け(メタ?)を含めて、先の構成を考えてなかったから、メチャクチャになってしまったぜ、という雰囲気、なんでもありが楽しめる人には傑作でしょう。

新装版 デビルマン(1) (講談社漫画文庫 な 2-37)

新装版 デビルマン(1) (講談社漫画文庫 な 2-37)