パオロ・マッツァリーノ『反社会学講座』

読んでる途中の本が、他にもあるのに一気通読。面白いを通り越して、痛快なまでに楽しかった。
社会問題(少年犯罪、小子高齢化、労働問題など)を鮮やかに軽やかに紐解いていく手腕は、なんともまぁ頼もしいものです。
論理的なだけではなく、面白いのです。そうでなければ、いくら正しいことを主張しても、見向きもされなかったり、読者をなかなか納得させられないことを著者は承知しています。
社会学が曖昧で主観的な学問であること。また、統計データを恣意的に利用すること。問題点を明快にし、問題を解決するためには、どうしたらいいか、ということを客観的に論理的に導きだす。これが、本当の社会科学である社会学の使命なのだよ。

面白いこと請負です。
ところで、著者の名前を見て「外人さん?」と訝しむ私。著者紹介によると、イタリア生まれの三十代(氏の父は九州男児)で、講師と立ち食いそばのバイトをしているとのこと。で、将来はフランチャイズで独立希望、だそうです。文字の上だとはいえ、日本語が上手で、日本の文化についてかなり詳しいので、とにかく仰天いたしました。
他の著書として、二見書房から『反社会学の不埒な研究報告』、ちくま新書からは『つっこみ力』という書籍をだされています。つっこみ力、図書館にあれば借りてきます。

反社会学講座 (ちくま文庫)

反社会学講座 (ちくま文庫)