参考文献一覧チェックリスト

卒業研究では物語マーケティングを行おうと考えております。物語マーケティングとはなんぞや?という話題はのちのちに置いといて。先日テーマ発表したところ自分の詰めが非常に甘かったためもう一度検討してみてねと教授に言われました。非常に悔しいので頑…

「キャプテン・スーパーマーケット」「茶の味」

「キャプテン・スーパーマーケット」「死霊のはらわた」シリーズの三作目。タイムスリップもののB級ゾンビ映画。ツボにはまる人ははまるかなー。中世にタイムスリップした主人公が元の世界に戻るためにネクロノミコンを探しだすおはなし。蘇った死者の軍団…

古屋×乙一×兎丸『少年少女漂流記』

僕はみんなと同じようにうまくやれているだろうか? このままちゃんと大人になれるのだろうか? 友情、恋愛、容姿、不登校、家族…抱えきれない不安と過剰な自意識にさいなまれて、少年少女たちは非日常の別世界に迷い込む。妄想か、現実か。漂う彼らが行き着く…

小阪祐司『「感性」のマーケティング』

感性マーケティングとは、副題にもあるとおり「心と行動を読み解き、顧客をつかむ」マーケティング戦略である。つまり、人の行動に着目し、行動の動機を感性で説明する。著者によると感性工学と呼ばれる学問分野で研究が行われているそうだ。用語はたくさん…

桐野夏生『東京島』

清子は、暴風雨により、孤島に流れついた。夫との酔狂な世界一周クルーズの最中のこと。その後、日本の若者、謎めいた中国人が漂着する。三十一人、その全てが男だ。救出の見込みは依然なく、夫・隆も喪った。だが、たったひとりの女には違いない。求められ…

笹生陽子『ぼくは悪党になりたい』

時代をうまく表現している作品だと思った。出版されたのは2004年6月。草食系ということばが定着する以前に自分を草食獣に例える主人公兎丸エイジ。美男子の友人羊谷とバーガーショップでだべっている場面からこの物語ははじめる。名前も温厚そのもの。父親…

ヘッセ『知と愛』

原題は「ナルチスとゴルトムント」。相反する二人の男が互いに惹かれあうさまを描いた作品といえば単純明快なのだが、にもかかわらず深い作品であった。美少年ゴルトムントが修道院に入る少年時代から物語ははじまる。見習い僧であるナルチスに感化され、愛…

川上未映子『わたくし率 イン 歯ー、または世界』

芥川賞候補になった表題作及び「感じる専門家 採用試験」の二篇からなる。 文筆歌手を自称するだけあって、流れるような関西弁が気持ち良かったりもするのだが、表題作はそこそこ長めなので途中でだれます。表題作は歯にアイデンティティーのある私が、歯科…

野上暁『越境する児童文学―世紀末からゼロ年代へ―』

『飛ぶ教室』に「児童文学一九九〇〜二〇〇五」として連載されていた文章を一冊にまとめた本です。児童文学評論というよりはブックガイドというかんじで、考察よりも本の粗筋紹介にページが割かれているのが特徴である。「かいけつゾロリ」みたいな幼年向け…

堤清二、三浦展『無印ニッポン』

T型フォードの発売からリーマン・ショックまで一〇〇年。自動車の世紀だった二〇世紀が終わり、消費文化は大きな曲がり角を迎えている。大流通グループ「セゾン」を牽引し、無印良品を生み出した堤と、地域の文化の衰退を憂慮する三浦が、消費の未来、日本の…

内田裕也『俺はロッキンローラー』

永遠のロッキンローラー内田裕也の幻の名著が遂に文庫化!少年時代のとんでもない話、’76年当時のRock’n Rollな現場、魂ゆさぶる金言集など、裕也スピリット満載の1冊。文庫化ではデザインも忠実に再現。 タイトルにもあるとおり、人生をロックンロールしてい…

近田春夫「考えるベスト」

ハルヲフォンからRICEまで、近田春夫のこれまでのキャリアを総括するようなベスト・アルバム。全体を通して聴いてみることで彼にとってのロックンロールが“自然に聴こえる人工的な音”から“人工的に聴こえる自然な音”に移行していくのがわかるはず。 近田春夫…

森達也『放送禁止歌』

岡林信康『手紙』、赤い鳥『竹田の子守唄』、泉谷しげる『戦争小唄』、高田渡『自衛隊に入ろう』……。これらの歌は、なぜ放送されなくなったのか? その「放送しない」判断の根拠は? 規制したのは誰なのか? 著者は、歌手、テレビ局、民放連、部落解放同盟へ…

キノコホテル

というギャルバン(ガールズバンド)があるらしい。2月16日の日本経済新聞夕刊の夕刊文化欄に「キノコホテル 京都公演」という記事を見つけた。京都の歴史あるライブハウス、磔磔でライブをしたという記事だった。 これまでポップス史を揺り動かしてきたのは…

百貨店と文化

進まぬセブン流「百貨店改革」 閉店ラッシュで大なた セブン&アイ・ホールディングスが、傘下のそごう、西武百貨店の改革にてこずっている。2006年にセブンとしては過去最高の2300億円を投じ買収したが、業績不振が続き、投資効果は上がっていない…

津原泰水『ブラバン』

一九八〇年、吹奏楽部に入った僕は、管楽器の群れの中でコントラバスを弾きはじめた。ともに曲をつくり上げる喜びを味わった。忘れられない男女がそこにいた。高校を卒業し、それぞれの道を歩んでゆくうち、いつしか四半世紀が経過していた―。ある日、再結成…

2009年度文芸書以外ベスト5

こんにちは。先日に引き続き、文芸書以外で五冊あげます。 【文芸書以外】第五位難波江和英、内田樹『現代思想のパフォーマンス』(光文社新書)現代思想を代表する6人(ソシュール、バルト、フーコー、レヴィ=ストロース、ラカン、サイード)が取り上げられて…

2009年度文芸書ベスト5

今年読んだ本のなかから印象に残った本を文芸書と文芸書以外(エッセイ含む)で挙げてみたいと思います。【文芸書】第五位三島由紀夫『仮面の告白』(新潮文庫)これがデビュー作だなんて信じられないくらいレベル高い。小説でありながら自伝っぽくもあるのだけ…

内田樹『街場の現代思想』

「バカ組・利口組」に二極化した新しいタイプの階層社会が出現しつつある。そんな格差社会において真に必要な文化資本戦略とは何か?日本の危機を救う「負け犬」論から社内改革の要諦まで、目からウロコの知見を伝授。結婚・離婚・お金・転職の悩み…著者初の…

トーマス・マン『ヴェネツィアに死す』

高名な老作家グスタフ・アッシェンバッハは、ミュンヘンからヴェネツィアへと旅立つ。美しくも豪壮なリド島のホテルに滞在するうち、ポーランド人の家族に出会ったアッシェンバッハは、一家の美しい少年タッジオにつよく惹かれていく。おりしも当地にはコレ…

鹿島田真希『六〇〇〇度の愛』

女は長崎へと旅立つ。夫と息子をおいて。長崎で青年と出会い、情事を重ねる女。アトピーで背中が被れた青年は純粋で愚か者。名前を知らない彼を女は長崎と名付けた。女には狂気のなかで死んだ兄と兄を溺愛した母がいた。語りえない家族の物語と長崎での自分…

田山花袋『少女病』

自然主義文学の祖、田山花袋の作品です。小説自体は短くて、半分は藤巻徹也氏が高田里穂さんを撮った写真集。文庫サイズだがカバーは厚く、カラー写真満載となれば値段相応なのかなというかんじ。 主人公は三十七歳の売れない作家で雑誌社で編集をしているぶ…

喜多ふあり『けちゃっぷ』

引きこもり女子HIROは全く口をきかないが、人と話す時は携帯から、言いたいことをブログにアップして爆裂トーク。血でもない、ケチャップでもない、「血のり=けちゃっぷ」のようなバーチャルな現代に迫る、驚愕すべき才能の誕生。 昨年の文藝賞受賞作。人と…

ディヴィッド・アーモンド『肩胛骨は翼のなごり』

引っ越してきたばかりの家。古びたガレージの暗い陰で、ぼくは彼をみつけた。ほこりまみれでやせおとろえ、髪や肩にはアオバエの死骸が散らばっている。アスピリンやテイクアウトの中華料理、虫の死骸を食べ、ブラウンエールを飲む。誰も知らない不可思議な…

舞城王太郎『ディスコ探偵水曜日』

迷子捜し専門のアメリカ人探偵ディスコ・ウェンズデイの目の前で六歳の梢に十七歳の梢が侵入。真相の探究は全てを破滅へと誘う。謎の渦巻く円い館と名探偵の連続死。魂を奪われた少女たちと梢を苛む闇の男。真実なんて天井にぶら下がったミラーボール。眩い…

デイヴィッド・アーモンド『ヘヴン・アイズ』

自由を求めて孤児院を抜け出し、筏に乗り込んだ3人の子どもたち。川を下ってたどり着いたのは、真っ黒な泥が広がるブラック・ミドゥン。そこには、両手に水かきのある女の子と奇妙な老人が、二人きりで暮らしていた。黒い黒いその泥のなかには、たくさんの秘…

パウロ・コエーリョ『11分間』

「むかし、あるところに、マーリアという名の売春婦がいた」。マーリアは、ブラジルの田舎町に育った美しい娘。恋愛に失望し、スイスの歓楽街で売春婦をして暮らしている。セックスによる陶酔など一度も味わうこともなく、日記帳だけに心を打ち明ける毎日。…

山崎ナオコーラ『論理と感性は相反しない』

神田川歩美、矢野マユミズ、真野秀雄、アンモナイト、宇宙、埼玉、ボルヘス、武藤くん。神田川(24歳、会社員)と矢野(28歳、小説家)の2人を中心に、登場人物がオーバーラップする小説集。「小説」の可能性を無限に拡げる全15編。 短編集である。帯には〈これ…

私に影響を与えた新書。

高校時代、国語の授業で各人が新書を持ってきて、先生が書名を言いながらまわっていくという説明しずらいコーナー(?)があったのですが、当時はいまみたいに種類は豊富でないにしろ色々な新書に触れることができました。そこで、高校時代に読んだ新書のなか…

2008年度文芸書以外ベスト5

続きまして文芸書以外で五冊あげたいと思います。 【文芸書以外】第五位白石拓『マンガでわかる 超ひも理論』(宝島社文庫)超ひも理論だけでなく、現代物理学について、知識がなくてもわかりやすく読める罪な本でした。宇宙わかた\(^O^)/ マンガでわかる 超…